メディカルリサーチ株式会社

WebマガジンVol.6 【ご案内】次年度医療鑑定症例セミナーについて/【ご案内】意思能力鑑定/【真実を読む】画像鑑定の実際

この記事の公開日:2014年12月17日

webマガジンバックナンバー

メディカルリサーチ WebマガジンVol.6

【今号の目次】

・【ご案内】次年度医療鑑定症例セミナーについて
・【ご案内】意思能力鑑定
・【症例】高次脳機能障害

【ご案内】次年度医療鑑定症例セミナーについて

医療事案をお取扱いになる際の一助にと、昨年よりオンラインにて提供させていただいております医療鑑定セミナーでございますが、本年7月25日には霞が関ビルにて開催させていただき、当初に予定いたしておりました100名の席を、170名の会場に変えて可能な限りのご参加希望に対応をさせていただきました。
その後も、多くの方々より次回のセミナーの予定問合せをいただいております。
できるだけ多くの皆様のご要望に沿うべく、現在、大阪と東京の2会場で開催させていただけるよう予定を調整いたしております。新年2月ごろにはご案内をさせていただく予定でございますので、テーマのご要望等がございましたら、お気軽にご連絡ください。

【ご案内】意思能力鑑定

高齢化社会の到来に伴い、「遺言者」に遺言執行に必要な意思能力(遺言能力)が備わっていたか、「自筆証書遺言」の効力が争われる事案が多くなっています。しかし、カルテなどの診療録や画像の情報から意思能力に対して適正でかつ科学的根拠に基づいた評価を下せる機関がないのも事実です。
また、遺言作成時に意思能力の評価を行うという体制や意識づけも万全にないのが現状でした。
弊社では、専門医による認知機能・意思能力等の評価、更には器質的脳機能評価を行うという意思能力鑑定サービスを始めました。
基本鑑定内容

(1)認知機能評価:「長谷川式認知機能テスト」による知能評価
(2)精神疾患診断:「精神科診断用構造化面接」による診断評価
  ※意思能力に影響する精神疾患の有無を診断
(3)意思能力評価:「遺言等執行判断能力評価の構造化面接」による診断評価
(4)鑑定報告書:各評価に基づき総合的に評定された鑑定結果の報告書
(5)客観的証憑記録の提供:施行事実を証するため、鑑定の施行状況を映像記録
(評価中の状況については、再現性の有する形式で行い証拠保全を図ります)

【真実を読む】画像鑑定の実際

高次脳機能障害に関する症例

50代の男性が横断歩道を横断中に自動車と接触し転倒し救急搬送された。当時意識は鮮明で転倒時に路面へぶつけた膝の痛みが主訴であった。搬送先の病院の検査範囲では、損傷部位の膝には大きな所見がなく当日帰院となった。
しかし、事故後1か月を経過する頃に家人が「記憶障害、脱抑制症状、注意力の欠如」などの変化(症状)を確認したため、再度同病院へ受診し頭部MRI(初回)を行うがクモ膜下出血を認めるものの治療を要するものではないとの診断でしばらく自宅にて様子観察された。
しかし症状が悪化したためセカンドオピニオンを受診したことで再度頭部MRI(2回目)を行い、高次脳機能障害の疑いが高まったため弊社へ医療相談があったケース。

事故後の変化(症状)

・記憶障害:直近の記憶を忘れている
・脱抑制症状:感情のムラがあり前触れもなく急に泣くことがある
・注意力の欠如:注意力が障害されていて集中力がない

受傷後のCTとMRI画像

争点

2回目のMRIでは高次機能障害を疑う所見があるものの、クモ膜下出血自体は初回と2回目のMRIでは改善傾向を示すものであった。しかし事故後から出現している症状は改善されていない。

結果

PET/CT検査を受けられることをお勧めし、了承の基にて後日検査施行。
MRIにて形態画像上異常を認めないような本ケースにおいて、受傷部位に相対的糖代謝の低下を認め、同部位が高次脳機能障害の原因となっている可能性が示唆された。
よってこれらの根拠や診療録を精査し意見書作成を行った。

高次機能障害の精査 脳PET

頭部外傷

直撃損傷(Coup-injury)

打撃部位において骨は撓み inbending を生じ、脳を圧迫損傷する。骨と脳実質では硬さが異なるために、骨内面は脳を打撃する。このような状況で衝撃部位の直下に生じる脳挫傷を直撃損傷(直接損傷)という。

反衝損傷(Contrecoup-injury)

間接性振盪のことである。頭蓋、胃、膀胱など、液体を含む器官に様々な外力による衝撃が作用した場合、直接外力が加わった箇所とは反対側の箇所が損傷を受けることをいう。(文献より引用)

※高次脳機能障害とは・・・頭部外傷後などで脳の損傷により生じる認知障害(記憶、記銘力障害、集中力障害、遂行機能障害、判断力低下等)と人格障害(感情易変、暴力・暴言、攻撃性、多弁、自発性・活動性の低下、病的嫉妬、被害妄想等)によって社会復帰や生活への適応が著しく難しくなっている場合を言う。
※PET/CTとは・・・ブドウ糖に似た薬(放射性薬剤)を注射して、脳細胞の活動状態やがんの居所を評価する機械。