メディカルリサーチ株式会社

遺言書の効力を鑑定する意思能力鑑定サービスとは

遺言による相続争いと社会的背景

厚生労働省は全国で認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推計値を発表しました。つまり65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症になる計算になります。

そしてこの中には軽度認知症は含まれておりません。軽度認知症というのはMCI(Mild Cognitive Impairment)と言われています。MCIとは、まだ認知症とは言えない健常と認知症の中間にあたるグレーゾーンの段階をいいます。記憶・決定・理由付け・実行などの認知機能のうち、一つの機能に問題は生じているものの、日常生活にはほぼ支障がない状態です。要するに呆けているか呆けていないかの瀬戸際にあるのがMCIです。

MCIの定義 ・本人または家族(介護者)による物忘れの訴えがある
・客観的に記憶障害がある(新しいことを覚えられない、記憶を維持できない、思い出せない)
・日常生活は基本的にできる
・全般的な認知機能は保たれている
・認知症ではない

上記のような状態の方は専門医の診断すらすり抜けることがあります。また、日常生活には支障がありませんので例えば自動車の運転も給油も可能です。高齢者の死傷事故がよく話題になりますが2017年の改正道路交通法における75歳以上を対象とした認知機能検査もクリアしています。
2009年に「終活」という言葉が使われるようになりましたが、公正証書遺言の作成件数は2017年で110,191件となっています。

公正証書遺言の作成件数

日本公証人連合会ホームページより

仮にMCIの方が被相続人として公正証書遺言等を作成する場合に代理人弁護士を含め公証人はもちろんMCIだと気づかない、分からないと思われます。ただし、家人が分かっている可能性は否定できません。何より、MCIや認知症は本人にまったくの病識がない疾患で初診にいたるきっかけの大半以上が家族によるものです。このような状態であるため家族間で当人に認知症の症状があった、いやしっかりとしていたなどと意見が分かれることが発生します。

MCIについて詳しくはこちら

没後の相続争い

被相続人が亡くなられてから相続争いが起こった場合には、当時の情報を専門医が医学的に検証することが可能です。

高齢者であれば多くの方が何らかの既往をもち通院をされている経緯があります。その前後の診療情報、画像、介護記録、処方内容などから意思能力を鑑定します。長谷川式検査の点数だけを見るのではなく、すべての回答が残されている場合には、計算の見直しやどの項目で加算をされているのかなどを見ていきます。長谷川式検査は簡易故に医師であってもその採点方法を誤ることがあります。
弊社における依頼数は圧倒的に事後の事案が多くあります。以下のグラフでも分かるように、2016年には審判件数は17205件となっており、2007年は13309件でしたので、約9年で3900件程度増えたことになります。

審判事件数

平成28年度司法統計 家事事件編 第2表より

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遺言書と共に鑑定書という対策

被相続人の意思能力の有無とその程度というものは本来なら適正に医学的に説明されるべきものです。「返事ができた」、「署名ができた」というだけでは医学的に意思能力がある、認知症などの既往が影響していないとは言えません。

生前の意思能力鑑定とは、まずは長谷川式検査やMMSE、その他各種検査による評価を行います。その結果を専門医が踏まえたうえで最低30分程度の面談を対象者と行います。 その中で知的障害や精神科疾患の有無などをはじめとして、意思能力や認知症の判断を行います。事前に遺言書案がある場合にはその内容に即した意思能力の程度であるかについても見解を述べることが出来ます。
厳正中立に被相続人の当時の状態、あるいは作成時前後における状態を測るには、私たち医療の見解が欠かせないものであると考えます。
弊社では精神科医、脳神経外科医、神経内科医、放射線科医師などが連携し、被相続人の意思能力の程度を鑑定しています。
2014年に国内初の意思能力鑑定を始め、これまでに多くの症例を経験してきました。鑑定のケースでは、遺言書に対する疑義だけではなく、教育資金贈与、遺言書作成、株式譲渡、養子縁組など様々なケースに対する意思能力を鑑定してきました。また、意思能力へ影響すると考えられる被相続人の既往も様々であり、ペインコントロール中であったケースや、脳内出血、脳梗塞などの場合、知的障害者などについても厳正中立な医療の視点で鑑定を重ねてきました。また、鑑定を行っていく中で予防法務の一環として意思能力鑑定は生前のそれぞれの起点で行われるべきものであるという考えに至っています。

「家族のため」の行為が家族を苦しめる行為に変わることがあってはなりません。
最近では遺言作成前の意思能力鑑定についての相談や依頼が増えてきています。その結果に応じて弁護士の先生方が遺言書の内容を改められることがあるとうかがっています。

遺言書 + 遺言能力「意思能力」鑑定書
これからのデファクトスタンダードとなります

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意思能力鑑定の特長

当社の意思能力鑑定サービスは、国内で有数の権威として評価を得ておられる専門医の方々のご協力のもと、遺言書作成を行う際の作成者の意思能力を評価鑑定し、その結果を鑑定書と客観的な記録としてご提供するサービスです。

意思能力の評価は、知能検査のみでは不十分です。重要なのは高度な技能と実績を有した専門医による構造化面接評価です。また、当社では、鑑定報告書とあわせて、後日の客観証憑となる評価過程までを含めた映像記録もご提供致します。
尚、本サービスはオンラインシステムを活用して実施致しますので、全国各所でサービス提供が可能です。遺言をめぐっては、単に遺産相続の内容にとどまらず、人間関係等非常に難しい問題を生じることも少なくありません。後日のトラブルを予防するうえでも意思能力鑑定サービスをご活用ください。尚、意思能力鑑定は遺言作成以外のケースでも施行できますので、詳しくは担当スタッフにご相談ください。

意思能力鑑定サービスの内容

1.基本鑑定内容
(1)認知機能評価:各種検査による知能評価(弊社では単独の検査で十分な評価に値しないと考えています。従って複数の検査方法を採用しています)
(2)鑑定報告書:各評価に基づき総合的に評定された鑑定結果の報告書
(3)客観的証憑記録の提供:施行事実を証するため、鑑定の施行状況を映像記録
2.オプション
器質的脳機能評価:PET+MRI検査による器質的な脳機能の状態を評価
※上記の意思能力鑑定に、器質的脳機能評価を加えることにより、一層精度の高い鑑定が行えます。
意思能力鑑定と診断書の違い ・診断書
医療機関で発行されるものです。主治医或いは主治医以外でも診断書を出すことは可能です。一定の検査を得てから、あるいはそうでない場合においても一定の情報があれば診断書を出すことがあります。認知症、あるいは異常なしという診断書では詳細な知りたい内容やその程度まで分かりません。
・意思能力鑑定
遺言書、養子縁組、その他法律行為のそれぞれに対した鑑定内容で意思能力を判断しています。だからこそ、その重要な意思能力の程度までが鑑定できるのです。意思能力とはある、なしの単純な判断ではないのです。
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