■サービス内容
■意思能力鑑定と診断書の違い
■意思能力鑑定の使い方
■意思能力case1
■商標登録

意思能力鑑定サービスの内容

遺言書を含む法律行為への意思能力の鑑定

厚生労働省は全国で認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推計値を発表しました。

つまり65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症になる計算になります。このような高齢化社会の到来に伴い、「遺言者」に遺言執行に必要な意思能力®(遺言能力)が備わっていたか、「自筆証書遺言」の効力が争われる事案が多くなっています。

特に遺言者がすでに死亡してしまっている案件の場合、直接遺言能力を判定することができず、遺言を作成した時点での意思能力®が問題となって争われる訴訟も年々増加しています。

そこで、遺言者の意思能力®の有無とその程度を専門的診断と検査によって鑑定する「意思能力鑑定サービスを」開始いたします。遺言執行時の係争を未然に予防する、大変有効な手段として、是非ご検討頂きますようお願い申し上げます。

1.基本鑑定内容

  • (1)認知機能評価:「長谷川式認知機能テスト」による知能評価
  • (2)精神疾患診断:「精神科診断用構造化面接」による診断評価
    ※意思能力に影響する精神疾患の有無を診断
  • (3)意思能力評価:「遺言等執行判断能力評価の構造化面接」による診断評価
  • (4)鑑定報告書:各評価に基づき総合的に評定された鑑定結果の報告書
  • (5)客観的証憑記録の提供:施行事実を証するため、鑑定の施行状況を映像記録

2.オプション

器質的脳機能評価:PET+MRI検査による器質的な脳機能の状態を評価
※上記の意思能力鑑定に、器質的脳機能評価を加えることにより、一層精度の高い鑑定が行えます。

意思能力鑑定と診断書の違い

診断書

医療機関で発行されるものです。 主治医或いは主治医以外でも診断書を出すことは可能です。一定の検査を得てから、あるいはそうでない場合においても一定の情報があれば診断書を出すことがあります。 認知症、あるいは異常なしという診断書では詳細な知りたい内容やその程度まで分かりません。

意思能力鑑定

遺言書、養子縁組、その他法律行為のそれぞれに対した鑑定内容で意思能力を判断しています。 だからこそ、その重要な意思能力の程度までが鑑定できるのです。 意思能力とはある、なしの単純な判断ではないのです。

意思能力鑑定の使い方

弊社が意思能力鑑定を開始して6年目になります。当初は公正証書遺言の有効無効というご依頼が目立ちましたが、今では弁護士の先生方に幅広く活用をいただいています。その一例をご紹介します。
A弁護士事務所 様
クライアントの遺言書を作成しましたが、財産が土地、家屋、株、預貯金といろいろあります。 案件者がかなりの高齢であるため遺言書案を高度、中等度、低度と3案作成しました。意思能力鑑定でどの案の遺言書であれば意思能力があったと判断できるのか鑑定して欲しい。
B信販会社 様
契約者が自己破産をしました。よって保証人に支払い義務を移行させたいのですが、家人より保証人になった父にはその当時すでに意思能力がなかったと主張されました。意思能力鑑定で意思能力があったと推定できるか鑑定してもらいたい。
C資産管理会社 様
資産組換えや家族信託を検討している相手がいるが、ゆくゆくの争いを避けるために、また弊社側のリスクマネジメントも兼ねて意思能力鑑定で意思能力に問題がないか鑑定して欲しい。
D50代男性(会社経営者)

今のうちに今後の株式譲渡などを想定して準備をしたい。 現時点での自身の意思能力について画像と併せて鑑定をお願いしたい。

  ⇩

a. 器質的脳機能評価(頭部PET検査)
結果:contrecoup injury(対側損傷)という典型的な脳への損傷痕の所見を発見。

  ⇩

b.意思能力鑑定
結果:MMSE、HDS-R、精神疾患構造化面談、意思能力すべてにおいて問題なし。

総合鑑定結果

認知機能など意思能力に問題はなし。 頭部の画像検査より側頭葉の一部に集積低下を認める。(画像矢印の部分) 本人に確認すると30年前に交通事故にて中央分離帯に衝突、その後半年間入院していたとのこと。 今回は50代と比較的早い段階で意思能力鑑定の結果を受けて頂いたこともあり、本集積低下所見は意思能力の低下所見を示唆しているのではなく当時の事故によるものと裏付けることができました。

意思能力 case1

家族構成、背景等

某地方で食品製造企業を経営するA氏には、再婚した現在の妻と死別した前妻との間に生まれた実子(男性:長子)および現妻と前夫との間に生まれ養子縁組をした次子(男性)の同居家族がいた。

A氏の後継者として専務取締役に就任し会社経営に携わっていた長子は、経営方針をめぐりA氏と対立したことを機に辞任し、A氏と別居することになった。しかし、A氏は、長子が辞任後も頻繁に長子に事業上の相談を続け、事実上、経営に参画をさせていた。

病歴等

A氏が74歳の時にA氏は脳梗塞を発症し、以後リハビリのため、専門医療機関に長期入院となった。
A氏の介護は現妻が行っていたが、当時は妻も体調が不良気味で満足に介護ができず、加えて水頭症の発症等A氏の経過も芳しくなく、痴呆症状も出現するようになった。
結局、A氏は自宅療養の後、介護施設に入所することとなった。

所在不明のまま・・・
長子はA氏の転医については全く知らされておらず、後日、次子から、A氏は別の施設に移し、現在はA氏の妻(次子の実母)とともに次子が世話をしている旨の連絡があった次第。以後もA氏と妻の行方については長子が不知のまま1年余が経過した。

A氏が脳梗塞を発症し、その後長期の入院状態になってからも、会社は専務取締役に復帰した長子が、事実上の最高経営責任者として取り仕切っていたが、ある日、会社の顧問弁護士より、長子に対し、取締役の解任と次子の代表取締役就任の通知がなされた。

次子は大学卒業後、フリーター状態で、会社経営には全く関わってはいなかったが、会社の株式の殆どをA氏が所有し、残余の1割程度の株式を妻が所有する状態であったため、長子が不知の間に臨時株主総会が招集され、前記の決議がなされたものであった。

それから1年弱経過した時期にA氏は死去したが、A氏の死後、顧問弁護士よりA氏の公正証書遺言存在の事実が長子に告知され、その結果、A氏所有の株式はその全てを次子に相続されることが判明した。

しかしながら、公正証書遺言が作成された時期には、A氏の認知症は重篤な状態であったことは明らかで、当該行為を行う意思能力がA氏に存在したとは認めがたく、また、臨時株主総会が開催された経緯にも、その成立の有効性に多大な疑義があったことから、当時のA氏の意思能力について、長子は知人の弁護士に相談を行うこととなった。

争点!

臨時株主総会の時点でのA氏の意思能力
この時点での意思能力の有無が公正証書遺言の効力にも影響する事案

A氏74歳脳梗塞発症時:左視床出血の急性期病変を認めます。脳室内穿破を認めます。
両側側脳室から、第4脳室まで穿破した急性期の血腫を認めます。
シャントチューブをいれるほどの出血量であり、その後脳の急速な瀰漫性萎縮を呈しており、全脳への虚血性変化をきたしたものと思われます。

1年後:脳の瀰漫性萎縮の進行を認めます。

3年後:脳室の著明な拡張を認め、水頭症を示唆する所見です。
脳室内出血後の水頭症とくに、正常圧水頭症を疑います。

  • 発症時 MRI
  • 発症2年半 MRI

A氏が代表取締役を務める会社の定時株主総会に出席していますが、この前後の画像から決議ができる状態であったと考えられますか?

→正常圧水頭症などの合併が疑われ、高次脳機能障害を疑います。

株式譲渡契約を作成しています。
本人の意思能力が欠缺していたと考えられる所見はありますか?

→意思能力が欠落していたと考えます。これ以前のCTでも、認めます。

公正証書遺言書を作成しています。
本人が遺言能力が欠缺していたと考えられる所見はありますか?

→頭部CTでは、前頭葉・側頭葉の瀰漫性萎縮を呈しており、正常圧水頭症を疑います。

商標登録をいたしました

平成28年4月に『意思能力』の商標登録をいたしました。
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